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採用のあるべき姿を一緒に考えたい

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目次

今回取材を行った石川は、最初に入社した企業でインターン生として新卒採用責任者を経験。
そこから戦略的にキャリアを積み上げ、現在はSTARMINEの新卒採用支援事業部でコンサルタントという企業側の立場から学生の就職支援を行っています。
多くの学生の採用に携わってきた石川が考える採用の「あるべき姿」について話を聞きました。

<Profile>
石川 雄大(いしかわ ゆうだい)/新卒採用支援事業部 事業部長
大学1年生の6月からWebマーケティング事業を展開する株式会社キュービックで長期インターンシップをスタート。
営業・Webマーケティング・採用担当を経て、自身もインターン生でありながら、長期インターン採用責任者と新卒採用責任者を任される。
2020年に正社員として同社に新卒入社。
2022年に株式会社土屋鞄製造所にジョイン。
新卒採用責任者を任され、長期インターン制度を立ち上げる。
その後、中途採用も担当。
2023年にかつての先輩であった宮川が代表を務めるSTARMINEに入社。
現在は新卒採用支援事業部の事業部長としてクライアントの新卒採用コンサルティングを行っている。

危機感を覚え、ノンプロフィットからプロフィット側へ

――キュービックでは自身がインターン生にも関わらず長期インターンと新卒の採用責任者というポジションを任されていたようですが、どのようなきっかけがあったのですか?

インターン生ではあったのですが、大学4年生の4月時点で内定をもらっており、企業のほうから「やってみない?」と打診をいただきました。人を評価することになるため、「同じ学生の自分がそんなポジションに就いていいのだろうか……」といった葛藤もその当時はありました。

ただ「学生ではなかなか得られない経験ができる」という気持ちが上回り、オファーを受けることを決意しました。最初は長期インターンの採用責任者のみだったのですが、その後インターンの延長線上にある新卒採用も任せてもらえるようになりました。

――その後、正社員としてキュービックに入社しますが、2年ほどで土屋鞄製造所にて転職していますよね? その理由を教えてもらえますか?

キュービックはベンチャー企業で、当時はスタートアップ。無形商材を扱っています。一方、土屋鞄製造所は、中小企業で60年近い歴史があり、商材はカバンです。2社はフェーズもプロダクトもまったく異なる企業でした。

少し自分語りになってしまうのですが、私は幼少のころから「考える」という習慣が身に付いていました。子どものころは本格的にサッカーをしていたんですが、身体が大きいわけでもないからフィジカルでは相手にかなわない。技術面も、自分よりうまいチームメイトはたくさんいました。ですから勝つためには、戦略を考えなければなりません。どうすれば相手チームに勝てるか、どうすればライバルからポジションを奪うことができるか、戦術やフォーメーション、ポジショニング、トレーニングについて常に考えていました。

土屋鞄製造所への転職は、自分を更に成長させるための戦略でした。異なる環境に身を置き、知見を広げ、自分の市場価値を高めるためのストラテジーなんです。

――そしてSTARMINEに人事コンサルタントとしてジョインするわけですが、同社への入社理由も教えてください。

採用担当だと自分の会社の人事戦略は担えますが、担当できるのは自社である一社のみです。人事コンサルタントであれば多くのクライアントの人事戦略に関われるため、その分の経験と知見が得られます。

また、「ノンプロフィットの人事は危うい」という考えがあったのも転職理由の一つです。人事は直接売上を生みません。そうなると企業に属していなければお金がもらえないんです。

一方、コンサルタントは、プロフィットを生む側です。極論、一人でも売上が立てられます。自分で稼ぐ力を身に付けておけば、独立もしやすいですし、会社がなくなったとしても生きていけるんです。

採用ノウハウの標準化でクライアントを自走に導く

――STARMINEでは特にどのような仕事に注力していますか?

私が担当する業務には、新卒採用コンサルティング、長期インターン採用コンサルティング、新卒採用コンサルティング関連のサービス設計の3つがあります。

1つ目の新卒採用コンサルティングは、主に採用を成功させるための仕組みづくりと運用を行います。またPROなどもここに含まれます。

2つ目の長期インターン採用コンサルティングでは、長期インターンの参加学生を増やすための戦略設計や、インターンの運用設計などを行います。

そして3つ目の新卒採用コンサルティング関連のサービス設計。これはSTARMINEの社是でもある、クライアントの自走を実現するための重要な取り組みでもあります。ターゲットとなる学生を採用するための仕組みやナレッジを作成し、常に再現性を高めるためのブラッシュアップもしています。

具体的な作業は、心理分析シートや面接評価シートの作成などです。ここは個人的にも特に注力しているところで、私がこれまでに培った採用のノウハウを標準化して、誰でも使えるようにすることを目指しています。

正しい採用で学生と企業、どちらも幸せに

――仕事の中で自身が得意だと思っていることはありますか?

インターンシップなどで学生のキャンディデイト・エクスペリエンスを向上させ、採用に導くことには自信があります。学生のインサイトを把握し、正しい打ち手を講じることが、キャンディデイト・エクスペリエンスを高めるセオリーなのですが、私は相手の考えや感情を読み取ることが得意です。

私は人一倍他人の目を気にする子どもでした。人をよく観察するため、顔色やしぐさ、声のトーンから相手の感情がある程度掴めるんです。相手がどう感じているかを読み取れるから、どのように寄り添えば相手が安心するかも分かります。だから打ち手を間違えることもあまりありません。

ただし、根拠のないことは言いません。採用という企業側の立場ではなく、就職という学生の側に寄り添いたいからです。

――強い想いがありそうですね。

はい。私は「世の中の採用はもっと学生のためにあるべき」だと思っています。インターン生のころから数えると、5年ほど採用人事に関わってきました。まだまだ短いかもしれませんが、それでも良くない話を耳にすることはあります。採用人数を確保するために、デメリットを説明しなかったり、虚偽を伝えたりする企業があることも残念ながら知っています。

学生にとって就活は楽なものではありません。仕事を見つけることは、これまで歩んできた人生のなかでも特に大きな選択ですから、当然みんな真剣です。しかし、希望どおりの企業に入社できたと喜んだのもつかの間、働いてみたら「聞いていたのとまったく別の会社だった」では目も当てられません。

そのような学生はローパフォーマーとなり定着しないため、企業も新卒採用のコストを無駄にし、どちらも幸せにならない構図となってしまいます。

――採用のあるべき姿を実現するにはどうすべきでしょうか?

人事は、採用活動が何のためにあるのかをもっと学ぶべきだと思います。どうしたら自社に入ってもらえるかを議論することは大事です。しかし、どうしたら学生が幸せに働けるかのテーマが抜け落ち、技術的な話に終始するのは違います。

人事は人を採用する仕事でも、組織をつくる仕事でもありません。あるべき姿は、「人」というリソースを最大限に活かして事業の目標を達成すること。そのためには社員一人ひとりがより良いパフォーマンスを発揮しなければなりません。

事業の目標を達成できれば人事のプレゼンスも向上。より良い組織になっていくはずです。

日常から学びを見つけ、仕事に活かす

――最後に成長のために日々意識していることや取り組んでいることを教えてください。

日常から学びを見つけること。これを常に意識しています。

例えばカーディーラーで車を選んでいるときのことです。優れたデザインの車を見て、「デザインとは何のためにあるのだろう?」という考えが頭をよぎったとします。そしてよく考えると、意匠も機能も使う人の目線で設計されていることに気付きます。そうしたら次は「デザインとアートの違いは何だろう?」と疑問が浮かんでくるかもしれません。「アートは自分の意志であり、相手目線のデザインとは異なるものだ」と答えが出ます。

これを採用活動に置き換えるとどうでしょう? 「デザイン」は相手に寄り添うこと、「アート」は主張すること、あるいは理念としてもいいかもしれません。どちらも重要なファクターです。クライアントに「採用活動を成功させるにはどうすればいいのでしょう?」と聞かれときに、デザインとアートの例えを使えば的を射た説明ができるかもしれません。

私はこうして、日常から気付きを得て学び、自分の幅を広げています。

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