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効果的な戦略設計を実現するための必須スキルとは

石川雄大

石川 雄大

新卒採用支援事業部 事業部長

目次

今回は、戦略設計に必要なスキルと考え方をお届けします。
より理解を深めていただくため「どのように採用を事業や経営と紐づけるのか」「どんな戦略設計で新卒採用を成功させるか」という2つの軸に分けて解説いたします。

どのように採用を事業や経営と紐づけるのか

採用活動を行う上では、「採用の目的」や「目標人数を達成すれば良いのか」といった点を思案することが重要です。それには、経営者の視点から考えることや、人的リソースの観点で事業目標の達成をどう実現するかという思考が求められます。

このような考えを持つために必要なスキルは、大きく分けて2つあります。

①バックキャスティング思考

戦略設計には、経営方針や中期経営計画を基に、組織や事業の将来的な動きを逆算して「誰を・どのように採用すべきか」を検討することが大切です。これをスムーズかつ適切に進めるためには、バックキャスティング思考が不可欠です。

②クリティカルシンキング

経営層から採用に関する指示があった際、その指示をただ受け入れるのではなく、「本当にそれが最善なのか」を問うようにしましょう。クリティカルな思考を持ち、あるべき採用の姿を見極めることが、採用の成功に繋がります。

これら2つのスキルを身につけることで、採用と経営を効果的に結びつけることができます。

経営と結びついていないケースは意外と多く、「採用要件をトップに確認しない」「役員と議論せずに人事だけで決定してしまう」といったことが多々あります。こうした状況を改善するためにも、スキルを身に着けた上で経営との連携をしっかりと行うことが大切です。

どんな戦略設計で新卒採用を成功させるか

ここで考えるべきなのは、「戦わずして勝つ方法」です。
勝てない相手と無理に戦わないことも、効果的な戦略の一つと言えます。採用競合に対して、どのようなポイントで同質化するのか、どのようなポイントで差別化するのかを明確にし、戦術や具体的な施策に落とし込むようにしてください。

また、ブランディングやメッセージングの観点で、他社と差別化を図ることも重要です。
そうした意味で、「戦略」という言葉を正しく理解し、戦わずして勝つためにはどうすべきかを考えることが求められますが、そこで必要なスキルが次の2つです。

①デザイン思考

採用戦略とはつまり課題解決なので、自分たちの目線で物事を捉えるようなアート思考ではいけません。“伝えたいから”という考えで戦略に落とし込んでしまうと、うまくいかない可能性が高まります。
だからこそ、本質的な課題やニーズを発見し、「いかにして課題を解決するか」と、デザイン思考で考えることが大切です。

②インサイトを見抜く力

採用戦略の目的は、採用を成功に導くことです。つまり、内定承諾がKPIであり、そのKPIを達成するためには、学生のインサイトを見抜く力が必要です。

そのためには、学生が自社に対して「どのような感情を抱いているか」「どんな不安や懸念を持っているか」といった深層的な部分を、表面的な言葉にとどまらず、しっかりと考えることが大切です。そして、それらを理解した上で適切なコンセプトを考え、勝ち筋を明確に描くようにしましょう。
また、その勝ち筋を実現するために必要な戦術まで落とし込めると、より効果的な採用活動が行えます。

日々の習慣化でスキルを磨く

各スキルは、身に着けたいと思った瞬間にすぐ得られるものではありません。まずは、以下の3つのポイントを意識し、習慣を変えることで徐々にスキルを磨いていきましょう。

①分からないことは自ら尋ねる

はじめから経営者の視点で物事を考えるのは難しい場合があります。その際は、「分からないことは積極的に経営陣に尋ねる」「不安や疑問が残る場合はしっかりと調べる」といった行動から始めましょう。

②仮説思考を持つ

「自分が社長だったらどうするか」という仮説を立て、どのような人材を採用すべきかを考えることも効果的です。仮説思考を持つことで、戦略の質が大幅に向上します。

③採用と経営の距離を縮める

採用と経営の間に距離があると、行動のハードルが高くなる可能性があります。そのため、重要な意思決定の場には採用担当者と経営陣の双方が参加し、定期的に意見を交換する場を設けることが大切です。

効果的な分析の実践法。強みの可視化と学生インサイト

人事のおける4P分析と3C分析で見つける自社の優位性

新卒採用の開始時期には、希望する企業や職種が明確でない学生も多く、とにかく多くの企業に応募する傾向があります。このような状況の場合はとくに、自社の独自性をしっかり把握することが重要です。

『圧倒的な成長を目指す』というメッセージを掲げる企業が多く見られますが、特にベンチャー企業であれば成長が前提条件となっていることも少なくありません。そのため、感覚的なアピールではなく、自社の事業特性や強みを 4P分析や3C分析などのフレームワークに基づいて明確化し、競合他社との差別化を図ることが大切です。

対話から始める学生インサイトの発見

学生のインサイトを把握するためには、対話が重要です。新卒採用を初めて行う企業の場合は別として、新卒採用経験がある企業であれば、内定者へのアンケートや、内定辞退者に対する理由のインタビューを通じて学生の視点を理解することができます。
さらに、口コミサイトやオープンチャット、SNSなどを活用したリサーチも効果的です。

長期的視点が求められる新卒採用

新卒採用は、単年度で完結させるべきではありません。細かいPDCAサイクルを回すことは可能ですが、大きな振り返りは中途採用と異なり、年に一度しか実施できません。そのため、適切な評価や分析を行うための体制づくりが非常に重要です。

経営者の視点から捉える際には、採用した人材の成長や活躍を継続的に追い続けることも欠かせません。戦略を設計するには多様なスキルが必要ですが、これらのスキルを習得することで、より効果的な戦略立案が可能になります。

新卒採用に関するお悩みがございましたら、ぜひ一度STARMINEにご相談ください。

この記事を書いたメンバー

石川雄大

YUDAI ISHIKAWA

石川 雄大

新卒採用支援事業部 事業部長

大学1年生からWebマーケティング事業を展開する株式会社キュービックにて長期インターンシップをスタート。 営業・Webマーケティング・採用担当を経て、長期インターン採用責任者と新卒採用責任者に就任。大学卒業後、正社員として同社に新卒入社。 その後、株式会社土屋鞄製造所に入社。新卒採用責任者を任され、長期インターン制度の立ち上げを行う。 2023年にSTARMINEへ参画。 新卒採用支援事業部の事業部長を務め、新卒採用コンサルティング業務に従事。

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